ジョミー・マーキス・シンのどこが好きかと問われると、ソルジャー・ブルーは呆けた顔をした。
正直なところ、好きだから、としか答えられないのだ。
他の言葉を求められても、うーん、と唸るばかりだ。
どこが、どこが、か。
組んだ腕の指先が踊りだす。
ぼくはジョミーのこれまでをずっと見守ってきた。だからジョミーの全てが好きだよ。
そしてブルーは、だけど特にね、と続ける。
元気で、おおらかで、ただ一本気のように見えて、ときどきふっと聡い。
皆が思うより、ジョミーはいろんなものを見て、聞いて、考えている。ちょっと下手かもしれないが、頑張っている。
まるで、コップが溢れたようにブルーは語り続けた。顔はもう蕩けるように緩んでいる。
それに、ときどきとても可愛いことを自然にする。あれは天然というのかな。
ころころ百面相をして、思念波と同じように感情がすべて身体に出るんだろう。あれはどうしようもないな。
ああ満腹だ、とでもいうようにブルーは嬉しそうに溜め息をつく。
そしてブルーは結論をきっぱりと口にした。
ジョミーがジョミーだからだ。
それ最初と同じだよ!
まるで頭を殴りつけるように不躾な思念波がブルーへと届く。
だが、それだけなんだよジョミー。ブルーは困ったように微笑んだ。