ただ空を見つめてジョミーは待った。
二度目の交信を終えて、いくらかの時が過ぎていた。
また、何の反応もないのか……。
希望に満ちた一度目の交信は何の反応もないままだった。そして、やはり無理だったのだと怒る長老たちを無視して、ゴリ押しのままジョミーは二度目の交信を行った。
だが未だ反応はない。呼びかけたはずのステーションからの思念はぷっつりと途切れたままだ。
やはり、と長老たちと同じ言葉が脳裏を掠めた。
しかしジョミーは吐きかけた溜め息を飲み込んで、空を睨みつけた。
いや、まだだ。まだ……!
懸命に遠くの思念を探る。せめて困惑した思念だけでも掴めたなら。ジョミーは祈るような気持ちで思念の糸を探った。
誰のものともわからないほど絡み合っていたはずの大勢の思念、ぷっつりと途切れた場所を何度もなんどもジョミーは探る。
その先にゆるりと触れた感触があった。同時に途切れとぎれの声が届く。
「……こう……らへ……」
切れる。
瞬間的に察知したジョミーはその糸が切れることも考えずに思い切りその思念を引き寄せた。
「こい!」
呼びかける声に驚き、背後にいたフィシスがジョミーへと駆け寄る。
「ジョミー……!」
だがフィシスの次の言葉は続かなかった。
フィシスの足元には仰向けに倒れたジョミー、そして重なるようにどこからか現れた少年。
背を向けたまま動かない少年はわからない。だがジョミーもまた瞳を開かない。フィシスは恐るおそる二人へ手を伸ばした。
「ジョ、ミー……」
ジョミーの額へと手を触れれば、その思念の乱れがフィシスを弾き返す。
それでもなお触れ続ければビリビリと身体が痺れを訴えた。
「ジョミー!」
名を呼んでも反応はない。
なんとか、思念を落ち着かせなければ。
フィシスは痺れに耐えながらアルフレートを呼んだ。